FF14におけるパッド/マウスキーボード操作論争
前置き
巷にはFF14はマウスキーボード操作を推奨するブログや日記が大量にあるが、その全てがパッドでしかあるいはマウスキーボードでしかプレイしていない偏った内容なので、新生FF14のサービス開始から4年半をパッドでプレイ、ここ最近の3年をマウスキーボードでプレイしてきた自分が、両方でプレイしてきた視点から利点と欠点、そして物理的な作業量からどちらが効率的な操作方法かも紐解き、どちらがオススメなのかを書き残しておこうと思う。
目次
- 前置き
- 前提(正しい比較をするために)
- 移動操作の手順で考える
- 移動入力操作に使用される指の数から考える
- ホットバーのスキル入力手順から考える
- 入力可能数から考える
- NPCとMOBのターゲット操作手順から考える
- PTターゲットの操作手順から考える
- まとめ
前提(正しい比較をするために)
・パッド操作もキーマウ操作も慣れていること。
ゲームを遊ぶのにFF14以外のゲームをキーマウで普段からプレイしているか/してきたかはというのは重要で、WASD移動やマウスによるカメラ操作にも慣れていない場合、パッドとキーマウでどちらが良いかの話と違ってくる。キーマウ操作にもパッド操作にも同じぐらい使い慣れているという前提視点で両方の操作方法を比較していく。
移動操作の手順で考える
FF14のような三人称3Dゲームにおける直線移動の場合
(操作設定はデフォルトとする)
・キーマウ操作
1,マウスポインターをゲームUIのない場所に移動させる
2,マウスを長押しクリックしてポインター操作からドラッグによるカメラ操作にする
3,マウスを移動させてカメラを8方向のどれかに合わせる
4,キーを押す(WASD)
5,到達
利点……指がキーの上に常時あるので即時入力が可能
他の操作の影響を受けない
欠点……最短ルートを通るための入力にカメラ操作が必須
・パッド操作
1,アナログスティックに指を移動させる
2,アナログスティックを倒す
3,到達
利点……カメラの角度に関係のない移動入力ができ限りなく目的地への到達が早い
欠点……スティック操作中で指が埋まり、他の操作が滞る
最短ルートを直線で走れない※後述
以上になるが2手順キーマウの方が多いため、速度としてはパッドが勝つ。
しかしキーマウの1~3は省略や事前準備が可能でその場合、手順数は逆転する。
まぁ……つまりどっちでも同じ。WASDの方が早いとか大嘘だし、スティックの方が直感的いうのはただの使い慣れているだけの話。
よくキーマウ操作を推奨する理由の一つにアナログスティック倒れきり入力が最大値になるまでの遅延ガーというのがあるが、それ言ったらキーボードにはキーが沈み入力が効くまでの遅延があるので、そこに入力差なんてない。
他にスティックは対角移動入力時に必ずニュートラル(無入力)を経由するが、キーボードは即時逆入力が可能という違いはあれど、そんなことよりプレイヤー自身の操作速度の方が遥かに影響が大きいので関係ない。
ただアナログ入力故に目的地への方向へスティックを倒していてもズレが発生するという欠点はFF14のギミック処理上、見過ごせないかもしれない。
再生編4層前半のダイヤモンドダストの滑り散開処理で顕著だったが、初入力に判定が乗るギミックおいて、パッドはカメラに位置に関係なく完全な前入力ができないため移動先がブレる。これは入力デバイスの欠点だったため、できる限り真っ直ぐ倒すという対策と言えないような気をつけ方をしなくてはならなかった。
キーボードは4方向への完全なデジタル入力でズレが発生しようがないのでキャラコン精度という視点ではキーボードに軍配が上がる。
逆にキーボードではカメラを固定した状態での曲線移動が不可能だから、本来ならアナログ入力デジタル入力の一長一短として考えるべきはずだが、FF14のギミックに曲線移動を要求されるものがないので、パッド操作はただただデメリットだけを強いられているカタチになる。
移動入力操作に使用される指の数から考える
・キーマウ操作
人差し指、中指、薬指の3本。
利点……親指と小指はフリー、他の入力操作に使える。
下方向以外、指が常時設置されているため即時入力に長けている
欠点……慣れてないと指がツる。……らしい。
・パッド操作
親指の1本。
利点……指の負担がない。……らしい。
欠点……十字ボタンの操作に親指を使用していることがある
これは明確にキーボードの方が良いかも。
モンハン持ちとかいうネタ操作方法を本当に練習してしまったギャガーはともかく、パッドからキーマウに移行しようかと思っている人は多分ここに利点を見出しているのかもしれない。
ましてはWASD操作は全てのゲームの基本操作なので慣れている人は移行に躓かないし、慣れていない人も慣れるべき言い訳がある。
指の負担がどうというのは、どっちかしか使ったことがない人やどっちかに特別慣れている/慣れていない人の感想に思える。僕は長年キーボードもパッドも使っているけど、どっちが疲れるという話はちょっとよくわからない。だがそれでもその声は多いことは無視するわけにはいかなかったので利点欠点に入れたが眉唾と思ってほしい。
ホットバーのスキル入力手順から考える
ジョブ関係なくホットバーに置いたスキルを押して使用するという基本で考えると――
・キーマウ操作
1,設定しているショートカットキーのための修飾キーを押す(Shift/Ctrl/Altキー)
2,当該キーを押す
利点……修飾キーなしの直押しで発動するものもあるため同時押し作業がパッドと比べると一部減っている。
欠点……キーボード側での入力だとパッドと同じように移動入力と指が競合するため、キーマウ操作の利点を享受するには、マウス側での入力方法を考えた周辺機器の環境設定の構築が必要。
・パッド操作
1,トリガーボタンを押す(L2/R2 or LT/RT)
2,当該ボタンを押す
利点……ホットバーの大量のスキルに対応した即時入力が可能。
欠点……移動入力やカメラ操作中に指が競合するためボタンが押せない。
キーマウだと修飾キーをフリーの小指や親指で押せるため利点に思えるが、パッドはトリガーボタンをフリーの人差し指で押すため、どっちでも同じ。
パッドは直入力がターゲット周りの操作に割り振られているため、キーボードの同時押しなくスキルを発動できることは利点ともいえるが……まぁどっちでも同じ。
入力可能数から考える
これよく勘違いされている点だが、即時入力が可能なボタン数はパッドの方が多い。
L2/R2の片方ずつとトリガーボタンを押す順番で切り替わる同時押しで、16ボタンx3の計48入力になっている。そのすべてがパッドを目で見ることなく入力できる。
当たり前だが、キー入力ごとにキーボードを見るようなプレイは快適で高速なプレイとは程遠い。移動キーWASDをホームポジションとして常識的にブラインドタッチで入力できるキーは『Q、E、R、F、数字キー1~4』の8キーである。これが直押しと修飾キーとの同時押しで8x4の計32入力になる。パッドで入力可能なボタン数を遥かに下回っている。無理やり移動に使用しているはずの指を使って『Z、X、C』も利用しても44入力とまだ足りない。
そもそもキーボード側は移動入力で指を使用している以上、キーボードでホットバーのスキルを押すなんてキーマウ操作の利点を自ら捨てに行く行為でキーボード側の左手に入力を割り振ってはいけないのだ。
だからキーマウ操作の場合マウス側で入力をこなさないと意味がないのだが、マウスのサイドボタンは普通2ボタンである。2x4の合計8入力しかない。全然足りてない。
12ボタンものサイドボタンがあるMMOマウスなる特殊商品が存在する理由はここにある。
他の操作の邪魔をしないマウス側の手で12x4の48入力。特殊マウスを使うことでやっとパッド同等の入力数になる。
パッドだとスキル入力がキツいけど、キーボードはたくさんのスキルに対応できるなんて勘違い甚だしい。
そしてそんな特殊なマウスを使い慣れるためのプレイ時間などを考えても、パッドでプレイした方がいいのだ。
NPCとMOBのターゲット操作手順から考える
これはキーマウ操作におけるマウスオーバーマクロというGCDを詰まらせる絶対にやってはいけない環境構築は無視しても、ターゲットする種別や、操作方法、操作設定によってかなり変わるので一概にどちらがいいかとは言えないが……一応オーソドックスな設定で比較すると
<NPC>
・キーマウ操作
1,マウスポインターの移動
――1,移動入力で当該NPCの方向に移動しながら
2,決定入力
・パッド操作
1,十字キーでアンカーサークルを順送り選択
――1,移動スティックを当該NPCの方向に倒しながら
2,決定ボタン
<MOB>
・キーマウ操作
1,マウスポインターの移動
2,決定入力
or カメラ内MOBへの即時タゲ変更ショートカットキー(tabキー)
・パッド操作
1,十字キーでアンカーサークルを順送り選択
2,決定ボタン
or カメラ内MOBへの即時タゲ変更ショートカットキー(R1L1同時押し)
これも勘違いされていそうな話だが、キーマウ操作でプレイしている人はマウスポインターでターゲットを選択なんてしない。普通はインタラクトキーを割り振って決定ボタンだけでこなす。大抵のゲームはターゲット周りは重要なオブジェクトに吸われる設定になっていて、ましてやFF14はその吸われるターゲットを詳細に変更できるし、このターゲットが吸われる方向というのはカメラに写っていて且つ、キャラクターが向いている方向に優先されるから、ワンポチで済ませるよう設定するものだ。
他にもMOBが大量に一箇所に固まっていたり、呼び鈴にプレイヤーが群がっているときに、マウスポインターで選択しようとしたらターゲットしたいものがターゲットできないので、逆に使いにくい。
基本的に余計な操作が増えるマウスポインターは使わないのに、『マウスポインターがあるのでターゲット周りの操作が便利』なんて埒外も甚だしい。
同じようにMOBに対してもマウスポインターで選択するのは逆に遅くなるので、基本tabキーなどでワンポチ即時MOBへのタゲ変更を使う。パッドもアンカーサークルでターゲットを選択したりもしない。R1L1同時押しで即時MOBへのタゲ変更をするだろう。
そしてMOBへのタゲ変更のボタンは順送りにも対応しているので連続押しで選択も兼ねている。
だからターゲット周りの操作においてパッド操作とキーマウ操作に違いも差もないのだ。
PTターゲットの操作手順から考える
PTリストのPTメンバーをターゲットする操作の比較では少し変わってくる。
・キーマウ操作
1,マウスポインターの移動
2,決定入力(左クリック)
・パッド操作
1,十字キーでアンカーサークルを順送り選択 *n回
2,決定ボタン
パッドだとPTリストターゲット送りに最大4回操作が必要なのに対して、マウスポインターなら、マウスポインターの移動だけで済むので、多分キーマウ操作を勧める人が多い一番の理由がこれなのだと思う。
確かに手順だけで見ると差があるように感じるが、両方の操作方法でプレイしてきたことでマウスにはマウスの欠点があり、パッドにもパッドにしかない利点もあるのでそれを話していこうと思うが――これはこれで長くなりそうなので次回の記事にしようと思う。
次回『FF14のヒーラーにおけるキーマウ操作とパッド操作の違いと環境設定について』
まとめ
以上のように、FF14ではキーマウ操作とパッド操作に差なんてものはない。
キーマウ操作にアドバンテージなんてないし、むしろパッドの方が良い面が多い。キーマウ操作でパッド操作と同じものを用意するし、パッドではキーボードと同じ操作がちゃんと存在する。
操作量にも違いがない以上、どちらが良いということはない。
ハッキリ言ってFF14に限っては初めてのキーマウ操作に慣れるための時間を費やしてまで、キーマウ操作に移行するほどの意味もない。
元々ゲームはキーマウで操作していた僕がFF14を始めるときにFF14のためだけにわざわざパッドを購入してきたほどに、FF14のパッドは大量のスキルを即時入力できるよう勘考された操作方法で作られている。自分がパッド操作からキーマウ操作へ変更したのもパッドが壊れて新しいパッドを買うより現状普段から使っているマウスとキーボードでいいか……みたいなそんな理由だ。
個人的には、今回書き連ねた利点と欠点も、キーマウ操作の環境設定を正しく構築できて初めて利点を享受でき、テキトーな設定でプレイするとキーマウの欠点ばかりを味わうことになるので、デフォルトである程度まともにプレイできるパッドでプレイすることをオススメする。
利点と欠点を理解せずキーマウに矯正しようとして挫折し、結果モンゴリアンスタイルなんて操作に行き着いている人もいるが、アレは両方の利点を投げ捨てるような本末転倒行為なので、そうなるよりはパッドを使おう。
……ただシューター系ゲームに限らず基本的にゲームというものは(CS機独占タイトルを除き)キーマウ操作を前提としているので、キーマウ操作に慣れておけば他の様々なゲームを遊べるようになれるというのはある。
FF14しかやらないし、CS機でしかゲームしないよーって人は絶対にパッドがオススメだ。